南米のパリ・ブエノスアイレス
ブエノスアイレス2日目。
朝食後、一人でちょっと散歩へ出てみる。 メインストリートの7月9日通りを渡って、銅像のある公園へ。 犬と散歩したり、本を読んでいたり、思い思いのゆったりとした休日。 大都会なのに、大きな木が多いから、とても落ち着いた街に感じる。 うーん、さすが「南米のパリ」と呼ばれるだけの街、ヨーロッパの雰囲気だ。 ・・・でも自分たちはヨーロッパ人だっていうのが鼻につくって、 他の南米の人たちからは意外と嫌われているんだよね~。 ホテルに戻り、3日後にラ・プラタ川対岸のウルグアイへ渡るための チケットを受け取るため、歩いて港のフェリー乗り場へと向かう。 港の周辺は、プエルト・マデーロ地区(Barrio Puerto Madero) という、ドッグに面した保全倉庫街を再開発した地区で、 赤レンガの保全倉庫が、横浜の赤レンガ倉庫を彷彿とさせた。 レストランがずっと並ぶおしゃれなエリアで、散歩をしても心地よかった。 「ローマまで○○マイル」「ロサンゼルスまで○○マイル」 という標識がある中で、「東京」を指すのがなかったので、 「東京は真下の方だね」と話していたら、 おそらくヨーロッパからの旅行者の男性が、「どこのこと?」と聞いてきた。 「日本のことですよ」と答えたら、「あー、なるほどね」と納得したように肯いて、 傍らの男の子に説明していたのが、なんだか微笑ましかった。 日本ってどこ?っていう会話から始まるんだろうなあと思って。。。 歩き疲れて、昼食は赤レンガ倉庫内のイタリアンのレストランに入った。 美味しかったけど、デザートの大きさに圧倒された。 コロン公園というところを通って、大統領府 (La Casa de Gobierno)へ。 そして、ブエノスアイレスで一番来てみたかった大統領府。 ピンク色の外観からカサ・ロサーダ(Casa Rosada :ピンクの家) とも呼ばれている。 スペインのロココ調の建物で、19世紀後半に建設されたものだけど、 何よりここに来たかった一番の理由は、「エビータ」が演説をしたバルコニーを 見てみたかったということ。 ミュージカルやマドンナ主演の映画にもなった、エビータEVITAこと マリア・エバ・ドォアルテ・デ・ペロン(Maria Eva Duarte de Peron 1919-1952) は、ペロン大統領の夫人。 今でもアルゼンチンでその人気は高いという彼女の魅力は、 貧しい私生児として生まれ、15歳でブエノスアイレスに出てきて 自らの美貌を武器にさまざまな職業遍歴からラジオ女優、 ついにはファーストレディーへと登り詰めたがその矢先、33歳で病に倒れてしまう という、そのドラマティックな人生にある。 政治的にも口を出したことで、賛否両論あるようだけど、 その行動力は同じ女性としてただ凄い!と思う。 ・・・真似はできないけど。 日本では劇団四季がミュージカルで公演をしていて、過去に何度も見たので、 実物のカサ・ロサーダの前に立てたのは、 ミーハーだけどとても感慨深いものがあった。 正直、ここに来られたらもうブエノスアイレスはいいや、と思ったくらい。 今日4/2は、「退役軍人の日およびマルビナス戦争戦没者追悼の日」という 長い名前の祝日で、カサ・ロサーダの近くでデモ演説をしていたり、 警察官がたくさん警備をしたりと、なんだか重々しい雰囲気だった。 変なことに巻き込まれない前に、早々退散。 その後、サン・マルティン広場を散歩し、フロリダ通りをそぞろ歩き。 街角で、タンゴを見て、Galerias Pacificoというショッピングモールへ。 まるでヨーロッパのモール内にいる錯覚を起こすような風格 のある高級感がいっぱい。 店内散歩で終わる。 疲れてきたので、ホテルに戻ろうと ブエノスアイレスの地下鉄(スブテ Subte)に乗った。 ここで、思いがけず懐かしい「日本」と出逢う。 ブエノスアイレスの地下鉄の誕生は、1913年。 日本で初めて開通した地下鉄、浅草―上野間(のちの銀座線)開設のため、 日本から大正年期に視察に訪れたこともあるらしい。 その縁か、構造の類似かわからないけれど、日本で使われていた車両が再利用して、 未だに乗り継がれていた。 名古屋市営地下鉄東山線250系(地下鉄D線)と、 丸の内線500系(地下鉄B線)の車両だ。 今回は、B線に乗った。 車内には、営団地下鉄のロゴマークや、、「非常口」等の日本語が そのまま残されて使われていた。 すごく懐かしい、不思議な感覚だ。 特に、丸ノ内線はこの間帰国したときに見た映画「地下鉄(メトロ)に乗って」の中で、 登場したレトロな雰囲気の漂う旧丸の内線の車両だったので、感動した。 丸の内線に乗って、トンネルを抜けると、いつの間にか時空を超えて、裏側の国の 同じ大都市の地下鉄の車内だったって、何かまるで映画のようだなあ、 なんて考えて一人で感動しきりだった。 役目を終えた車両が、他のところで使われるということを聞いたことがあったけど、 まさか地球の裏側で出逢えるとは思わなかった。 ブエノスアイレスはヨーロッパから日本まで、世界中の雰囲気を感じられる 不思議な空間の街だ、と思う。
by cocowaqui
| 2007-04-02 23:09
| 07春 南米旅行
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